自分の好き。

自分の好きなものに、自覚的でなくてはいけないと最近思う。

自分の好きがわかっていないと、なんとなく周りの空気に流されて、好きでないものにいつの間にか囲まれてしまう。

それが良いと感じたとき、誰かが良いと言っているからなのか、本当に自分が好きだからなのか、それがあやふやになってしまっていることが意外と多いように思う。

よかったなと。

このあいだ、夜に買い物に出かけた奥さんから電話がかかってきた。

何事かと思えば、急いで家を出て来いとのこと。

めんどくさいなぁ、人を呼び出す時は何の用事なのか言いなさいよ、と思いながら出ていくと、家の近くの坂の途中に奥さん。

「あれ、見て」

振り返ると、空に大きな月。これを見せたかったのだと。

ああ、この人と一緒にいることができてよかったと僕は思った。